1992年にスタートしたヤングアーチストピアノコンクールは今年で31回を迎えました。これまでのファイナル受賞者からは現在活躍中のピアニストや教育者など多くの専門家を輩出しています。コンクールの特色として音響環境の整った各地の音楽ホールにての公開審査で実施されることが挙げられます。審査は全て音楽大学など現役のピアノ指導者またはピアニストにより行われ、審査員からは各々の参加者に「講評」が渡されます。審査員からの講評は、参加者及び指導者の今後の道標となり優れた音楽的才能の発掘・育成に繋がるとご好評をいただいています。
昨年はヤングアーチストピアノコンクール30周年記念として2つの企画を実施いたしました。1つ目は「ピアノトリオ部門」の開催です。「ピアノトリオ部門」はプロのヴァイオリニスト・チェリストをお迎えして、ピアノパートの参加者を募りコンクールを実施するもので、多くの方にご参加いただき、大変盛り上がりました。2つ目は「金銀銅受賞記念コンサート」の開催があげられます。これは第25回~第30回のヤングアーチストピアノコンクールでグランプリ金銀銅賞を受賞した方々を対象としたコンサートで、質の高い演奏ばかりで大変すばらしい演奏会となりました。
2024年春には、隔年で開催されている「ピアノコンチェルト」と昨年ご好評いただいた「ピアノトリオ」を同時に行う「スプリングピアノフェスティバル」の開催を予定しており、出演者オーディションが秋に実施されます。オーディション参加資格は今年度のコンクールでも得られますので、是非皆様のコンクールご参加をお待ちしております。
昨年もコロナ禍の中コンクールの開催となり様々な議論がありますが、ピアノ学習者の学習過程におけるピアノコンクールの存在意義を考慮し万全の対策を講じての開催となりました。「表彰式」も受賞者コンサート開催と同時に実施しご好評をいただきました。種々の点におきまして従来のコンクールとは異なった状況とはなりましたが無事にファイナル、受賞者コンサートまで予定通り実施することができました。これも皆様のご協力の賜物と感謝いたしております。
本年度の変更点は、プレAグループのファイナルを3会場で開催し、各会場で各賞が選出されることです。より多くの参加者の方に受賞チャンスが増え、演奏する楽しみを経験していただけると確信しております。本年度は昨年と同様にオンライン審査も取り入れ、会場においては参加者が安心して演奏いただけるよう、またご覧いただく方々の感染予防も十分に図られるよう対策いたします。本年のコンクールも昨年に引き続き感染対策を第一に考え十分に準備いたしますので、安心してご参加いただけるものと確信しております。皆様のご参加をお待ちしております。
ヤングアーチスト協会
会長 櫻井健一